建てた家が地震や台風がきたときに十分耐えられるつくりになっているかどうかは、大変気になるところです。 木造住宅の基本的は地震対策について見ていきましょう。 ■建物にかかる力 建物が壊れないためには、建物にかかる2つの力に対して、耐えうる構造でなくてはなりません。 1、建物自体の重さと家具や人の重さ、そして屋根に積もった雪の重さなど、 上下の方向にかかる自重、つまり「重力」です。 2、横方向の力、すなわち地震や台風が建物に及ぼす水平力です。 木造住宅がこれらの力に抵抗するには柱や梁などの軸組だけでは不十分なため、 主に変形に耐えることのできる強い壁をつくることで補います。 この壁を耐力壁または耐震壁と呼びます。 ■耐力壁の種類 耐力壁は、大きくは筋かいを入れたものと、合板などの面材によるものとに分かれます。 どちらもつくりに応じて強さが認められた「壁倍率」が与えられていて、数字が大きいほど強い壁です。 筋かいとは柱や梁などの軸組の中に対角線上に材を渡すもので、四角より変形しにくい三角形の性質を利用する考え方です。 端部の留め方が重要で、釘または筋違い金物を用い、柱・梁・土台に留めます。 材の断面が大きいほど、また1本の片入れより2本のたすき掛けのほうが、高い壁倍率になります。 面材による耐力壁は、構造用に合板や石膏ボードなどを柱と梁に釘留めしてつくります。 面材の厚さや強度に応じて壁倍率が設定されます。 また、釘の径や長さ、間隔により、耐力壁の強度が左右されます。 ■耐力壁の必要性 2階以上または延床面積が50㎡を超える木造住宅には、地震と台風の水平力に対して確保しなければならない 耐力壁の最低量が定められています。 この壁量は建物の床面積や壁の見つけ面積から算出されます。 地震で建物にかかる力は床面積に比例して増大し、2階よりも1階に多くかかり、また土塗り壁や瓦葺きなどの思い建物には 多くの壁量が必要になることを覚えておきましょう。